オフィスにある電気ケーブルやLANケーブルはパソコンやサーバー、その他の電子機器の数だけあります。
1.2本のケーブルくらいなら床に無造作にあってもあまり悪目立ちしないかもしれませんが、大量のケーブルはかなり目立ち、トラブルが起こりやすいのが問題です。
ケーブルの乱れた配線には、たとえば以下のような問題点があります。
ケーブルの中身は導線でできています。導線は金属ですので、曲げには弱く、頻繁に曲げ伸ばしされると簡単に切れてしまいます。
足に引っかけたり、イスやデスクの脚に引っかかったり踏んだりすることでケーブルが断線してしまいます。
またLANケーブルの端についているコネクタも衝撃にあまり強くはありません。引っ張られるなどの過度な衝撃が頻繁に与えられることで破損の原因になります。
ネットワークを構成しているLANケーブルは1か所でも断線が発生すると、場合によってはネットワーク全体に不具合が生じることもあります。
インターネットが利用できなくなったり、サーバーにアクセスできなくなったりすれば、業務に支障をきたすことも考えられます。
気づいたらケーブル周りに埃が…というのはよくありますよね。
電気ケーブルやLANケーブル周りは、静電気を帯びやすいため埃が溜まりやすいです。
溜まった埃が湿気を帯びると、とくにコンセント付近では、通電している電気によって発火する恐れがあります。
東京消防庁の発表によると平成29年の発生火災4,204件のうち「電気設備機器関連」のものは1,152件で、全火災件数に対する割合は27.4%。この数字は、過去10年間で最も高い件数だそうです。
このうち「配線・配線器具」が原因となっているのは454件です。
決して少ない数ではありませんが、配線や配線器具が原因となる火災は予防策を施せば防ぐことのできる火災です。
ごちゃごちゃしたケーブルの塊が目につくだけで、なんだか気になってしまいませんか?
社内の自分たちが気になるのなら、オフィスへ訪問したお客さまや取引先などはもっと気になっている可能性があります。
業務に集中できないだけでなく、お客さまや取引先には煩雑な印象を与えてしまうでしょう。
テキトーな配線は以下のような問題点があることをご紹介しました。
・ケーブルが損傷することでネットワークトラブルに
・埃がたまることで火災の原因に
・見栄えが悪いと悪印象
これらの問題点は、配線に工夫をすることで解消しましょう。
配線にもいろいろな種類があります。オフィスならではの配線方法から、あまりコストをかけずに手軽にできる方法までありますのでご紹介します。
OAフロアとは、本来の床から数センチ上げ底になるパネルを床一面に敷き詰めて、このパネルの下の空間にケーブルを這わせることのできる二重床の仕様のことです。
デスクやIT機器の位置に合わせてLANケーブルや電源ケーブルを出すことができるので、見栄えの悪いケーブルのほとんどを表に出すことなく、すっきりと配線することができます。
パネルの上面には、フロアカーペットを張り付けるのでケーブルは完全に隠すことができるうえに、豊富な種類の中から選ぶことができるのでデザイン性にも優れています。
ただし、パネルをオフィスの広さに応じて用意すること、パネルはひとつひとつ重いので施工は業者に依頼する必要がありますので、他の配線方法と比較すると費用がかかります。
モールとは、複数本のケーブルをまとめて保護し目立たなくすることができるカバーです。
小さなオフィスの場合や、すでに利用していて大がかりな工事はできないという場合に、ピッタリな手軽な方法です。
裏面に両面テープが付いているので、壁や床などに貼りつけて、中にケーブルを入れ込むだけなので作業は簡単です。
モール自体も高額なものではないので、比較的低コストで配線整理をすることができます。
ただし、あくまでもモールはケーブルのカバーです。壁や床から出っ張ってはいますので、モールを取り付ける位置には注意が必要です。
頻繁に足やイスに踏まれやすい位置には取り付けないようにしましょう。
通常のケーブルが丸い筒状であるのに対して、フラットケーブルとは平べったいケーブルで、カーペットの下に這わすことができます。
https://www.kaunet.com/rakuraku/variation/00017123/
この方法も、OAフロアほどの費用をかけられない場合に適した方法です。
敷設する際の注意点としては、カーペットの中心を通すようにして配線することです。カーペットの端やつなぎ目部分にケーブルがあると、そこからカーペットがはがれやすくなってしまいます。
また、フラットケーブルとはいえケーブルであることには変わりありません。何度も踏んだり衝撃を与えたりすると断線しやすくなりますので、あまり踏まれやすい場所に敷設しないようにしましょう。
オフィス物件のなかには、床下に配管の通っている物件もあります。
配管は備え付けの設備なので、OAフロアやモールのように購入したり施工したりする必要なく活用することができます。
配線は床下にあるので、見た目はすっきりしていて、衝撃によるケーブルの劣化もほとんど気にする必要はないでしょう。
ただし、配管の太さはあまり大きくないケースが多いです。ケーブルの本数が多い場合は通すことができないこともありますので事前調査が必要です。
床面には一定の間隔で、配管を通したケーブルを出せる穴が開いています。デスクやケーブルを使いたい機器を設置する場所から一番近い穴からケーブルを出すことができます。
この穴の位置は備え付けの場合は、変更することができないので、レイアウトする際にそのことも念頭に置いて検討しましょう。
いかがでしたか。
オフィスには電源ケーブル・LANケーブル・電話ケーブル・・・と多くのケーブルがあり、絡まりがちです。
テキトーな配線で絡まりやすい状態では、見た目にも悪いですし、業務の非効率化や火災などのトラブルの原因にもなりかねません。
きちんと整理した配線で快適なオフィス環境を目指しましょう。
オフィスがなんだかすっきりしない…
毎日そんな風に感じている方、実は多いのではないでしょうか。
それは配線が整理されていないからかもしれません!
配線がごちゃごちゃで散らかったオフィスはトラブルを招きかねません。
そこで今回は、配線を整理する必要性と、配線方法について紹介します。