2022/04/28
社員のメンタルヘルスケアでオフィス改革

メンタルヘルスとは「こころの健康」。 世界保健機関(WHO)では「自身の可能性を認識し、日常のストレスに対処でき、生産的かつ有益な仕事ができ、さらに自分が所属するコミュニティに貢献できる健康な状態」と定義しています。

厚生労働省の労働安全衛生調査によると令和2年度は働く人の54%が仕事で強いストレスや不安を感じているという結果が出ました。ストレスの内容としては、「仕事の量・質」、「仕事の失敗」「責任の発生」、「対人関係」(ハラスメントを含む)などがあります。
 

長時間労働やハラスメント、人間関係が原因でこころの健康を害すことが問題となっています。休職や退職が増えるきっかけとなります

 

さらに近年ではコロナ禍でテレワークが増加したことによるこころの不調も増加しています。必要最低限の人と会話する必要がないため気持ちが楽だと感じる人もいますが、一方でコミュケーション不足になることで相談しにくくなり疎外感を感じるようになります。
 

特に新型コロナが流行し始めた年に入社した新入社員は研修時からずっとテレワークで出社したことがほとんどないということも少なくありません。

社内での関係構築が十分ではない状態で仕事をしなくてはなりませんでした。出社できるようになってもチームについていけず、存在意義を考えてしまいます。こうしたコロナ時代に入社した社員のサポートも忘れてはいけません。
 

そのため企業はメンタルヘルスへの取り組みを強化することが必要不可欠となっています。

社員のメンタルヘルスケアをすることで社員の満足度が向上します。快適なオフィス環境は生産性を向上させ組織の活性化につながります。社内全体の雰囲気が良くなるので、コミュニケーション促進も狙えます。

今回は企業が取り組むべきメンタルヘルスに関する取り組みを紹介します。

職場ストレスの要因

職場におけるストレス要因は主に3つ挙げられます。

 

・物理的ストレス

温度や湿度、光、騒音などの環境刺激のことを指します。

エアコンの温度が寒すぎる・暑すぎる、オフィスがうるさい・逆に静かすぎる、こうした問題はありませんか?エアコン温度は会社全体あるいはビル全体で管理しているため調節が難しいですが、極度な温度変化は不調をもたらします

 

・科学的ストレス

閉めきった室内は、空気が屋外に出にくく空気が淀みます。酸素が足りないと、思考力がにぶり業務効率が低下するだけでなく、頭痛やめまい、感染症の原因になるなど社員の健康に影響を出る可能性があります。

 

・心理・社会的ストレス

私たちがストレスを感じる多くはこの心理・社会的ストレスに属します。人間関係や仕事量の質などさまざまな要因がストレスとなります。心理的ストレスには締め切りや残業など時間を意識するときや業務負担、長時間労働による身体に影響を及ぼすストレスです。

社会的ストレスは上司や同僚との関係性、コミュニケーションのとりづらさなどが挙げられます。

メンタルヘルスの不調が引き起こすもの

ストレスが原因でこころの健康が脅かされるだけでなく、仕事に大きな影響が出ます。

これは個人の問題にとどまらず、会社全体の問題にもなり得ます。

・モチベーション低下

心配や不安、負担が大きくなると前向きな気持ちが低下してしまいます。

意欲が低くなると仕事への関心も低くなり、チームワークや勤怠に影響が出ます。

・取り返しのつかないミスが発生

メンタルヘルスの不調は注意力や判断力が低下します。心だけでなく身体障害を引き起こすため業務の正確さに悪影響を及ぼします。業務中に事故を起こす可能性もあります。

・生産性や創造性の低下

メンタルヘルスに問題がある社員が増えると生産性が低下し、社内全体の空気が悪くなります。また業務が多く心に余裕がなくなると、創造性に影響が出るでしょう。

オフィス環境改善とメンタルヘルスケア対策

・ストレスチェックを実施

労働安全衛生法の改定により、2021年から従業員が50人以上の事業場ではストレスチェックの実施が義務付けられています。専門的な知識が必要になるため産業医がおこなう場合が多いですが、外部委託も可能です。社員が会社のどのような点にストレスを感じているのかを把握し、改善点について考えましょう。

・リモートワークのルールを見直す

出社とテレワークでは働き方が大きく異なります。オンオフの切り替えが難しくなりワーク・ライフバランスが乱れる、コミュニケーションが減ることでモチベーションが低下などの問題が発生します。連絡はチャットやメールだけでなく、Web会議システムを効率的に使い気軽に相談できる場を設ける工夫をしましょう。

・業務平準化

業務量の偏りは業務のリソースとタスクのバランスが一致しないと発生します。

チーム間でのコミュニケーション不足が原因で役割分担が均等にできていない場合や、作業振り分けの仕組みが整っていない場合などで、特定の人に作業量が偏ってしまいます。担当者が休んだり辞めてしまうと業務全体の流れが止まってしまいます。

属人化を防ぐためにも業務を平準化する必要があります。

・心地よい空間をつくる

ストレスを解消するためにはパーソナルスペースとリフレッシュできる環境づくりが大事です。パーソナルスペースは、他人に近づかれると不快と感じる空間のことです。
人によって異なりますが、集中して仕事をするための最適なデスクの幅は、1.4mといわれています。仕事におけるパーソナルスペースの範囲は1m~3mです。
これを意識したオフィスレイアウトにすることで、業務中のストレス緩和が期待できます。


また人間はバイオリフィア(緑あふれる自然環境)を好む性質にあると言われています。
自然は癒し効果があるだけでなく、余裕を感じさせ、心を解放させてくれます。
意図的にアースカラーを用いた家具を導入し、観葉植物を置くことでヒーリング効果が期待できるでしょう。

 

 


今回は職場ストレスの要因と改善方法をご紹介いたしました。

従業員のメンタルヘルスケア対策をするためには「意見」を聴くことが大事です。

従業員全員が安心して働ける "働きやすい職場" の実現のためにオフィス改革を考えてみてはいかがでしょうか。

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