人間の心は照明の強さに無意識的に反応しており、暗い光は仕事の生産性を下げ、特に青白くて暗い光は陰気な雰囲気になって良くないようです。
逆により明るいところでは感情の起伏が激しくなる傾向にあるそうで、大事な交渉事があるような時は、あまり明るすぎる照明の下にいるのは良くない、と言われています。
また、仕事内容によっても明るさは使い分けたほうが良いそうで、既存のものを効率的にこなしていく仕事には明るめの光が良く、クリエイティブな仕事には暗めの光が向いていると言われています。
電気屋さんなどに行くと同じ照度の電球でも、電球色、昼白色、昼光色といったように違う種類の色合いのものが置いてあって、どれにするか迷われたり、間違えて前とは違うものを買ってきてしまって家族に不評だった、なんて体験はないでしょうか。
一般的に、電球色は白熱電球のようなオレンジ色、昼白色は自然な色合いの白色のもの、昼光色は涼しげですっきりとした印象の青白い色を指し、シチュエーションに合わせて使い分けをするのが効果的なのだそうです。
例えば青系の色にはヒーリング効果があり、冷静さや集中力を高め、一方黄系は癒しや発想力を高める効果があると言われています。
十数年前、イギリスのグラスゴーでは夜の街灯を景観改善の目的でオレンジ色から青色に変えたところ、犯罪発生率が劇的に下がり、この青色街灯との関連が認められたため、今では日本各地での青色防犯灯の導入が進められているそうです。
上記のような特徴を踏まえてオフィスに使う照明の色をシチュエーション別に考えてみましょう。
①執務室
長時間を過ごすことになる執務室では、自然な光の昼白色で、ちょうど良い明るさにするのがオススメです。
昼光色であったり、明るすぎる場合、目が疲れてしまいますし、逆に暗すぎたり電球色であったりすると、落ち着きすぎて仕事が捗らないかもしれません。
②会議室
短時間で集中し、かつ冷静に物事を進めなければならない会議室には、昼光色がベストと言えるでしょう。
③食堂
味覚を鋭くする、という観点では昼白色、食事を美味しそうに見せる、という意味では電球色にするのが良いそうです。また、暗いのは避けたほうが良さそうです。私はたまに薄暗い車の中でお弁当を食べることがありますが、美味しさにとっていかに明かりが重要であるか、毎度痛感させられます。
④リラックススペース
ちょっとしたコーヒーブレイクなどで立ち寄るリラックススペースは、癒し効果のある電球色で、控えめの明るさがベストです。コーヒーと明かりの相乗効果で、ふと新しいアイデアが浮かんできそうです。
いつも会議室で眠くなってしまうという方、もしかしたら電球色の照明を使ってらっしゃいませんか?
あるいは、休憩スペースがどうも落ち着かないという方は、照明の色を少し暖色系に変えて、少し暗くしてみるだけで雰囲気がガラッと変わるかもしれません。
部屋の壁の色についても照明と合わせて変えることができれば効果は格段に増すそうですが、まずは手軽にできる照明の交換から始めてみては如何でしょうか。
いかがでしたか?
一言で照明といっても、強さや色合いによって効果が異なるというのは驚きですよね?
簡単にできる照明選び、ぜひあなたの会社でも使い分けを実践されてみてはいかがでしょうか。
朝早くから夜遅くまで、時間を問わずオフィス内を照らし続ける蛍光灯やスポットライトなどの照明。
存在が当たり前すぎて普段は気にも留めていないこの明かりが、私たちの普段の活動にも少なからず影響を与えていることをご存知でしたでしょうか。
今回は照明の効果について、主に強さと色の観点からご紹介したいと思います。