仕事中に、「肩が凝って痛い」「だるい」「パソコンを見すぎて目が痛い」「花粉症などのアレルギー症状が辛い」などと感じたことはありませんか?
こうした身体の不調を抱えながら仕事をすることを「プレゼンティーイズム」と呼ばれています。ストレス、集中力の低下、業務効率など会社全体の生産性に影響を及ぼします。
不調な社員が増えると、仕事のパフォーマンス以外の問題も引き起こします。離職率増加による事業継続や健康保険組合の保険料率も引き上げにつながります。
体調不良は企業にとって大きな損失になる可能性があるため、社員の健康を会社が管理することは非常に大事なことであるのです。
仕事の生産性を上げる取り組みに「健康経営オフィス」という考え方があります。健康を保持・増進を促すことで、働く人の心身の調和と活力が向上し、ひとりひとりがパフォーマンスを最大限に発揮できるオフィスのことです。
健康経営オフィスは、単に疾病予防に貢献するだけでなく、社員や企業がよりイキイキと活気溢れる状態へ導くことを目指します。
会社で健康経営オフィスに取り組むことで、自然と社員の健康リテラシーも高くなります。身体的にも精神的にも良好な状態だと社内全体が明るく活性化します。健康状態を維持するために、運動をしたり食事管理をしたり、自ら健康のために行動します。
健康意識が上がれば病気や精神的なストレスの予防につながります。やる気やモチベーションが向上するので生産性は上がるでしょう。
(アブセンティーズム・・・心身の不調による欠勤や休職、退職)
社員がイキイキと働くことができるようになると、仕事に対する充実感が高まり心身の不調が軽減します。社内全体の雰囲気も良くなりますので、イメージアップにつながります。
顧客の信頼を得ることができ、優秀な人材を確保できるなどの期待ができます。
これは平成27年に経済産業省より出された『健康経営オフィスレポート』中で提唱されている概念です。健康経営を実現するための7つの行動と、取り組みたいことを紹介します。
1.快適性を感じる
触感、空気質、光、音、香りなど、従業員がそこにいて自然と心地良いと感じる空間をつくりましょう。オフィスの緑化、オフィスBGM、ブラインドを上げて太陽光を取り入れることはストレスの緩和につながります。
2.コミュニケーションをする
気軽な会話や挨拶などコミュニケーションがあると、社内の雰囲気は良くなります。
同僚の業務内容、会社の目標の共有、共同作業がしやすい環境をつくることも大切です。出社する機会が減少してコミュニケーション不足になっているという場合は、簡単なレクリエーションを行い、気軽な意見交換できる場を設けましょう。
3.休憩・気分転換をする
リラックスタイムを設け、休憩や気分転換できる環境づくりをしましょう。昼休みをしっかりとることを習慣化させると、仕事の切り替えができ生産性は上がります。
4.体を動かす
オフィスワークは座っている時間が多く、腰痛や肩こりの原因となります。
階段の利用を増やす、ストレッチや体操を日常的に行うことで、体を動かす行動・習慣・意識を誘発します。
5.適切な食行動をとる
バランスのとれた食事をとり、規則正しい食生活を心がけましょう。
長時間飲食をせずに仕事に没頭すると生活習慣病などの不調につながります。忙しいからといって昼食抜きをすることはやめましょう。
6.清潔にする
こまめなオフィス清掃・換気、手洗いうがいの徹底をしましょう。毎朝自分のデスク回りを掃除する習慣をつけるだけで心地よく仕事できるでしょう。
7.健康意識を高める
毎年の健康診断だけでなく、定期的に自身の健康状態をチェックしましょう。
大企業では社内食堂を導入して栄養管理をしているところがありますが、これも健康経営のひとつと言えます。
また社内でスポーツイベントや健康セミナーの実施、歩数計アプリの導入など楽しんで身体を動かすことが大切です。
健康経営オフィスを導入することは、企業価値・生産性の向上だけでなく、社員ひとりひとりの健康意識を高めることにも貢献します。オフィスのレイアウトを変えずとも取り組むことが可能です。働く人と企業がよりイ キイキと活躍する社会づくりをしませんか?
日本は超高齢化社会。15歳〜64歳の労働人口が6割を切ったことで、近い将来日本経済に影響が出ると懸念されています。
人手不足は深刻化しており、中小企業では人材確保するのに必死です。
労働者が働きたいと思える会社づくり、働く人が健康でいきいきと仕事できるように配慮することは会社にとって大きな価値があると言えます。
そんな社員の健康を考えた「健康経営」というオフィスづくりが近年のトレンドとなっています。従業員の活力向上、組織の生産性向上などが期待できます。