RPA(アール・ピー・エー)というのは、「Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)」の略なのですが、非常に分かりづらいですよね。
そこで、RPAを一言で表すとどうなるかと言うと、「パソコンの定型業務を自動化するソフトウェア」のことです。
例えば、請求書を作ったり、リストを作成したり、業務システムにデータを入力したり、売上管理システムから顧客システムにデータを移管したり・・・パソコンを使った仕事って色々ありますよね。
そのような、パソコンを使った業務の手順や判断基準(「こういう場合はこうする」あるいは「これが全部終わるまで繰り返す」等)をRPAというソフトウェアに覚えさせ、あとは人がやらなくてもRPAが実際にその業務の手順を再現して勝手にやってくれるというものです。
先ずは、こちらの動画をご覧ください。
事前に覚えさせた業務を人の替わりにRPAがやってくれます。
(動画)
RPAが勝手に仕事をやってくれるイメージ動画
~検索キーワードの順位を調べ、エクセルに自動的に記録、保存~
この動画の業務はサンプルですが、要するにRPAは、あらゆるシステムやアプリケーションを人の替わりに動かし、業務を1動作ずつ遂行していきます。単純なクリックやコピペなどだけでなく、「ココの数字が100以上であればこうする。100未満であればこうする」など、RPAに判断をさせることもできます。
RPAの価値は大きく5つあります。
(1)作業が数倍速くなる
業務内容やシステム環境にもよりますが、一般的に、実際に人がやるよりもRPAにやらせた方が3倍〜5倍程度速くなります。
(2)ヒューマンエラーがなくなる
人が業務を行なっていると、細かなミスが発生することがあります。数字の桁をひとつ間違えてしまったり、開きたいファイルを間違えてクリックしてしまったり。そのようなミスは、時間と労力はかかっていますが、付加価値はないですよね。RPAは、そのようなヒューマンエラーをなくすことができます。
(3)人は別の仕事ができるようになる
RPAの最大の価値は、RPAが動いている間、人は別の仕事ができることにあります。業務スピードが速くなるだけでなく、その仕事を人がやる必要がなくなるのです。そして人は、より付加価値の高い仕事、クリエイティブな仕事、お客様へのサポートを厚くするなど、人にしかできないような仕事に時間を費やせるようになります。
(4)今いる人員体制でより多くの仕事をこなせるようになる
RPAがバックで動いていることで、今いる人員体制を無理して増やさなくても、より多くの仕事をこなせるようになり、生産性を高めることができます。
(5)辞めない・サボらない・文句言わない・残業代かからない
多くの企業様が、様々な人の問題で悩まれていることでしょう。
例えば、従業員さんが辞めてしまって社内が混乱し、慌てて補充採用しても、またイチから業務を教え込まないといけない。業務を教えなければならないのは「仕事ができる人」なわけですから、それを繰り返すのは会社にとってはちょっと無駄ですよね。RPAに置き換えることで、退職者が出てもなるべく業務が回るような体制を作ることができます。
同様に、RPAはモチベーションが下がったり、隠れてサボったり、会社や上司に対する文句を言うこともありません。夜中にどれだけ働かされても、「ブラック企業だ!」などと労働基準監督署に駆け込まれることもありませんし、残業代もかかりません。
良いこと尽くしのRPAではありますが、企業にとってネックになりやすいのが、価格と操作性です。
つまり、それなりに月額利用料が高いRPAツールが多いということと、社内にシステムに詳しい人がいないために、自動化タスク(シナリオと言ったりします)を作れない、運用できないということもあります。操作が難しいものを選んでしまうと、自社でシナリオを作れない、運用できないとなると、都度お金がかかってしまうことが多いため、結局、投資対効果が高まらないということがあります。
本連載の今後の記事でも詳細をお伝えしていきますが、中小企業がRPAをきちんと運用して投資対効果を高めていくには、価格と操作性が自社に合うものをきちんと選んでいただくことが重要です。
いくつかクリアすべきネックはありますので、慎重に選んでいただいた方が良いと思いますが、そのポイントを押さえれば、RPAはものすごく大きな効果を生みます。
教え込んだ業務であれば、超速く、正確に、疲れずにこなしてくれる優秀な従業員が入るようなものです。どんどん業務を教えていけば、できることもどんどん増えていき、社内の大きな戦力になります。
それによって、従業員の方々の負担が減ったり、別の仕事ができるようになったりして、中長期的に企業の生産性を高めていく大きなインパクトをもたらすことができます。
これからは、上手にテクノロジーを活用し、自社の業務の流れを見直していってはいかがでしょうか?
・RPAに任せられること
・人にしかできないこと
毎月例えばRPAに任せる仕事を何個かずつ増やしていけば、1年後にはものすごい差になっていることでしょう。
いかがでしたでしょうか。
今回はRPAに関する連載の1記事目ということで、「RPA」とは一言で言うと何なのか、その簡単なデモ動画、RPAを活用する価値、ネックになりやすいことなどをざっくりとお伝えしてきました。
今後は、より具体的に話を進めていきたいと思います。
直接、RPAの話を聞いてみたいという方は、お気軽に「オフィスの窓口.com」までお問い合わせください。
【執筆者プロフィール】
兎澤直樹(とざわなおき)
株式会社ドットコネクト 代表取締役 RPAインストラクター
一部上場の経営コンサルティング会社、株式会社船井総合研究所にて約9年間、中小企業の業績アップコンサルティングに従事。主にシステム開発・OA機器販売・物流会社などへのコンサルティングを手がける。その後、株式会社ドットコネクトを創業。価格と操作性という2つの問題でRPAを断念しやすい中小企業を対象に、「本当に使えるユーザーフレンドリーなRPAと運用サポート」を提案し、多くの業種で活用事例を持つ。
「仕事がたまって、とにかく時間が足りない・・・」
「また残業だ・・・」
「売上を増やそうにも、今の社内の状態じゃパンパンだよ・・・」
「社員が辞めてしまって、残っている者に相当な負担がかかってしまっている・・・」
多くの企業様が今、このような状況にあるのではないでしょうか?
煩雑な業務に追われてしまっているために、付加価値の高い仕事に集中できず、会社としての生産性がいっこうに上がらない。社内のみんながそれなりに忙しく、新しいことに十分に時間を使えず、社員もなかなか育たない。それが今の中小企業の大きな課題ではないでしょうか。
しかし、今はテクノロジーが多くの悩みを解決してくれます。そのひとつが、最近話題の「RPA」です。
「ア・・・アール・ピー・エーってなに!?」
おそらく、あなたもそう思われたことでしょう。
RPAとは、「Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)」の略なのですが、これで理解できる方はまずいないでしょう。
この連載では、業務負荷が重くなってしまっている企業様における業務改革に強烈なインパクトを与えうる「RPA」について、その基本から、活用事例、RPAを活用するメリット、RPAにできることできないこと、失敗しないRPAの選び方、オススメの運用の仕方などをお伝えしていきます。