簡単にテレワークについて解説します。
テレワークとは「パソコンなどITを活用した、時間や場所にとらわれない柔軟な働き方」と厚生労働省によって定義されています。
つまり、会社のオフィスに居なくても業務に必要な機器があれば、社外からでも業務を行うようにできるというものです。
テレワークには現在、「①在宅勤務②モバイル勤務③サテライトオフィス勤務」などが挙げられています。
テレワークの導入ステップを確認する前に、テレワークにはどのような課題があるかを認識しておきましょう。
なぜなら、課題を理解しておかないと、導入後にスムーズに社内に浸透していかないからです。
テレワークの課題は大きく下記の4つが該当します。
①業務が限定される
テレワークで行える業務は限定的になってしまうのが課題です。
例えば、営業であればお客様先への訪問はできなくなってしまいますし、内勤の人でも社内にかかってくる電話などへの対応はできなくなってしまいます。
資料作りや事務作業などできる業務が限定されてしまう課題があります。
②情報漏えいのリスクがある
テレワークは”社外”で仕事を行うこととなるので、持ち出している社外秘の資料や会社用のPC、スマートフォンなどから社内情報が漏えいしてしまうリスクがあります。
昨今、車に置いておいた資料が盗まれてしまったという事件やハッキングによって情報が漏えいしてしまったなどの事件が少なくありません。
そのため、情報漏えいを防ぐためには万全のセキュリティ対策を施さなくてはいけません。テレワークを考えると同時にセキュリティ対策もセットで考えるのが大事になります。
どのようなセキュリティ対策を施せば良いかは「テレワークセキュリティガイドライン」を総務省が公表していますので、参考にしてみてください。
③労働時間の管理が難しい
テレワークを実施すると社内で働いている場合と異なり、社員を直接目にする機会がないので労働時間の管理が難しいという課題もあります。
仕事を始めた時間は何時か?休憩した時間は何時か?終了した時間は何時か?など出勤をしていればタイムカードなどで管理ができますが、テレワークだと難しくなってしまいます。
そのため、全く働かない怠慢な社員が出てしまったり、反対に残業にならないからと猛烈に働く社員が出てくるかもしれません。
こうした労働時間の管理には上長に開始と終了時にメールで連絡を行う、労働時間を管理するITツールを導入するなどの対策が必要になります。
④社員が働き方に不安を感じる
テレワークは会社に出社しないで業務を行うという、日本でこれまで行われてきた働き方と真逆のような働き方になります。
そのため、社員がこれまで通り働いていけるかなど不安に感じることも課題の一つと言えます。
社員が導入に後ろ向きでは、どんなに良いものでも成功は難しいでしょう。
そのため、こうした社員の不安を軽減するためには社内教育を実施して理解を深めたり、部署ごとや個人ごとに期間を設けてトライアルを行うなどをして社員に経験を行ってもらうのが大事になります。
特にトライアルでは社員からフィードバックをもらうことで、今まで気づけなかった課題の発見などにも繋がるので、導入時には積極的に行うと良いでしょう。
テレワークの課題が理解できたところで、テレワーク導入に向けたステップを段階ごとに解説していきます。
①導入の目的を明確化にする
まずはあなたの会社が「なぜ、テレワークを導入するべきなのか?」という目的を明確化しましょう。
テレワークを導入する”こと”が目的ではなく、テレワークを行うことでどんな”成果”を得たいのかを明確にします。
例えば、「社員の生産性を向上させて、会社の利益を〇〇%アップさせる」「経費を削減させて支出を〇〇%下げる」などです。
目的が明確になっていないとフラフラしたまま進んでしまい、「なぜ、導入するの?」と社員から投げかけられた際に答えることができません。
テレワークを導入する目的をいの一番に決めていきましょう。
②現状を把握する
目的が決まったら、次は会社の現状を把握しましょう。
「社員はどのように働いているのか?」「現在の自社のIT環境はどうなっているのか?」
就業規則やセキュリティポリシー、業務環境などを客観的に把握する必要があります。
そして、現状を把握することで、自社に何が足りないかが見えてきます。ここは時間をかけてでもしっかりと固めるのが得策です。
③導入範囲を決める
続いて導入の範囲を決めます。
社員全員にテレワークを実施する必要は必ずしもありません。なぜなら、社内には必ず数名の人材を配置しておくことも業務を円滑に進ませるためには大事だからです。
「誰が、いつ、どれくらい、どこで、どのような仕事」を行うのかの範囲を決めると良いでしょう。
例えば、「営業部は4月の間、週に1回は自宅で勤務する」などです。
就業規則にも明記する必要がある箇所なので、しっかりと決めることが大事になります。
④社内環境を整備する
目的を決め、現状を把握し、導入の範囲を決めたらいよいよ社内環境を整備していきます。
ここではテレワークを行う上での社内ルールの策定やテレワークを行う際に利用するITツールなどを導入していきます。
②で把握した現状から変えていくために、整備にかかるコストや現環境との連携などを考慮して進めていきましょう。
⑤社内への推進を行う
テレワークで使用するためのPCやセキュリティ環境がある程度準備をしつつ、同時並行のような形で社内への推進を行いましょう。
社員への説明会や研修の実施を行って、社員の不安を取り除くのと同時に周知を徹底していきます。
また、先述したように人数を限定してのトライアルを実施するなども推進の一つです。
⑥本格的なテレワークの実施
説明会やトライアルで準備を進めたら、いよいよ本格的なテレワークに実施になります。
もちろん、社内で一斉に行っても構いませんし、部署ごとに段階的に導入していくのも良い方法です。
社内に合った方法を説明会やトライアルを通して見つけておくと良いでしょう。
また、総務省によるとテレワークは試行期間は少なくとも3か月以上に設定することが望ましいとされていますので、焦って結果を求めずに長い目で見ることが大切です。
⑦テレワークの効果の確認と課題の改善
テレワークを導入後は①で設定した目的をどれほど達成できているのか評価を行います。
また、導入をしていくと再び課題が出てきますので、課題を随時改善していきましょう。
評価軸は「生産性は向上したのか?」「経費はどれくらい削減できたのか?」「顧客への対応は問題なかったか?」など多岐に渡ります。
課題を改善していくことで、より良いテレワーク環境となっていきます。
いかがでしたか?
今回はテレワーク導入に向けてのステップを生じる課題と共に解説してきました。
多様な働き方を認める世の中に変化している昨今、テレワークなどの働きを推進している企業はとても先進的なイメージになります。
まずは、できる範囲で構わないのでテレワークの導入を進めてみてはいかがでしょうか?
企業の「働き方改革」が叫ばれる昨今、ひとつのキーワードとして出てくる言葉が『テレワーク』です。
さらに、2020年に入り新型コロナウイルスの影響でメディアでも盛んにテレワークという言葉が出てくるようになりました。
そこで、ぜひ「我が社でもテレワークを導入しよう!」と考えられている企業も多いのではないでしょうか?
しかし、世間がテレワークの流れだから、一応...というような考え方だと間違いなくテレワークは浸透せずに失敗に終わってしまいます。本記事ではテレワークについての課題と導入に向けてのステップについて解説していきます。
ぜひ、本記事を参考にしてテレワークの導入を目指してみてください。